もう一度君に恋をする


「チロさ、この前お兄ちゃんの彼女に勉強教えてもらうって言ってたじゃん?
本当は嘘なんだろ?」

「…嘘じゃない。」

「あの日、お前が男と歩いてるの見た奴がいるんだけど。」

「…見間違いじゃない?」


どんだけ私はズルイんだろう。


「見間違うわけないじゃん。
だってそれ見たの、朝倉だよ?」


えっ?


朝倉って景子?


どうして?


景子が私を見たんだったら、どうして私に言わなかったんだろう?


グルグルと頭の中で絡み合う思考。


「なぁチロ。
もう本当の事言えよ。
他に男いるんだろ?」
< 81 / 201 >

この作品をシェア

pagetop