もう一度君に恋をする


私が何も答えようとしないから、雄大が気を遣って謝ってくる。


「私ね、別れたんだ。」

「はっ?」

「つい最近、別れたの。」

「そっか。」


ビックリしたのか雄大はそれ以上何も聞いてこなかった。


私は重い空気になるのが嫌で、わざと明るく笑った。


「何で…何で別れたの?」


私と将太の事なんて何一つ知らない雄大なのに、別れた事が不思議だったのかそう聞いてきた。


「…私のせい。
私が他の人を好きになったから。」

「そう…なんだ。」


本当は雄大の事が好きだからって言いたかったけど、そんな事は言えない。
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