そんな君達が大好き
危険な高校入学

どちら様?


『……いってきます…』


バタンと力無くドアを閉める。
朝起きてから私はずっとこんな調子だった。

今日から私は高校生になる。
この瞬間をすごく楽しみにしてた。高校生って大人になった感じだし、制服も中学より可愛いし……


どんなに待ちわびた事か……!!


じゃあなんでテンションが上がんないかっていうと、それには深いわけがあるんですよ……


深すぎるわけが……ね






―――

―――――


中学校生活も残りわずか――



三年生はみんな無事受験を終えてあとは卒業するだけ……という時期に一人だけ無事に受験を出来てない少女がいた。


賑やかな昼食の時間に聞き慣れたアナウンスの音が響いた――


「…3―Dの榊田姫香さん。榊田姫香さん。浜口先生がお呼びです。至急職員室へお越しください」



「ギャハハハッ!姫香また呼び出しかよ!!」



そのアナウンスを聞いて大笑いする野郎が二人。



「プププ…笑うのやめなよ」


『なにちゃっかり笑ってんだよ!!笑うな笑うなぁ!!』


人の不幸を笑う我が友達を睨み付けながら私、榊田姫香〈サカキタ ヒメカ〉は渋々職員室へと向かった。



そう。受験に全て落ちた可哀相な中学生とは私の事だ。






『……失礼します』

怠そうに職員室ヘ入ると私を呼び出した担任の浜口が一枚の紙を見ながら待っていた。


「おう榊田…あのな一校だけ受け入れてくれる高校があってな…」

そんな先生の言葉に私は目を見開いた。

『本当ですか!?』


先生何故にそんな哀れみの目で私を見るのですか?


「……この高校なんだが」

そういって先生は私に紙を見せた。


………は?


『先生まで私を馬鹿にするんですか?……おま!此処……』


男子校じゃねェエかァア!!


「……まぁそうなんだが…一人だけなら…って了承してくれてね……もうここしかない『やです!!嫌です!!死にたいです!!』


「って事だ。榊田のお母さんにはもう了承を得てるから。ドンマイ!!」




クソババアァァーー!!
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