CornPotage【短編集】





「ねぇ、聞いて。


あたし実は晴れ女なんだ。」




舞子は無邪気に笑う。



それは一緒に映画を見に行った時のこと。




梅雨はまだ終わっていない。






「どゆこと?」



「あのね、あたしが外を歩くと


雨は次第に止んでいくんだ。」




自信満々に言う舞子が可愛らしくてつぃ笑ってしまう。





「あー!笑ったな。


ひどい!」



ごめんごめん。




でも、舞子が晴れ女だったら



僕は雨男だろうな。




僕の心は君みたいに晴れてないから。





横で僕に微笑む君。



その光で僕を照らしてほしい。




< 190 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop