CornPotage【短編集】
舞子は僕の手を握る。
舞子が観たいと言った犬の映画のラストシーン。
隣に見ると彼女は涙を流す。
雨・・・の、しずく。
ふとそれを連想させる。
≪あたし実は晴れ女なんだ。≫
それって嘘じゃないかと
馬鹿らしいことを考えてしまう。
「ワンちゃん…死なないで…
死なないで…。」
彼女はもうひとつの手で口を覆う。
目からは涙があふれる。
あれ・・・
もしかして
雨も誰かが泣いてるのかな?
「うう・・・」
舞子みたいに泣いてるのかな?
舞子と同じ・・・
太陽が・・・。