CornPotage【短編集】
僕は小さな手を握り返す。
その小さな手を包み込むように。
その瞬間、彼女はもっと泣き出す。
僕は知りたい。
うん、このとき思ったんだよ。
雨のことが知りたい。
気象学ではなくて
なんかもっと神秘的なものを。
そしたらきっと
君のことも僕のことも分かるかもしれない。
ずっと僕の中でモヤモヤしてたものが無くなるかもしれない。
雨の秘密。
涙の秘密。
それは一緒なんだってことを。