CornPotage【短編集】
「ごめんっ。入れるの遅くなっちゃった」
隣には作業服を着た若いお兄さんが困った顔で頭をかいている
「いつもは昼過ぎに補充してるんだけど、今日は寝坊しちゃって…」
ごめんっ!と顔の目の前で両手を合わせる
「えっ・・・あっ…。」
急な出来事で私は固まった。
「コンポタ飲みたかったんだよね?」
「はい…。」
男の人はワゴンに積まれている
ダンボールから1本、缶を出した
私がいつも飲んでいるコンポタだ
「冷たい…。」
男の人は缶を両手で包み込み
ボソッと呟いた。
「あっ、結構です。そこまで欲しくないんで…。」
私は会釈して立ち去ろうとした