CornPotage【短編集】
ダンボールに詰められていた缶は
冬の空気を肌で感じていたので冷たかった
私の手も缶に体温を奪われて冷たくなっていく
そのたびブレザーのポケットに入っている
コンポタを取り出し、
手を温めていた
「冷めちゃうよ?」
コンポタを両手でギュッと握っている私を見て、
お兄さんは言った
「あとは俺一人で大丈夫だから。
手伝ってくれてありがとうね。」
「はい…」
少し寂しかった
もぅ少しお兄さんと一緒に居たい気がした
でも、私はその場から離れた。。。
缶を開けてコンポタを飲んだ
少し…ぬるくなっちゃった…
あの人に会ってから
温かいコンポタを飲んでないような気がする
それでもいい
いつの間にか心の中では
コンポタを買うためじゃなくて
あの人に会うために
自販機に来ている…
私はコンポタをすすった
こんな日々がずっと続くといいのに・・・