CornPotage【短編集】





「変なところ見られちゃったね」





お兄さんは恥ずかしそうに笑った








中庭








お兄さんと一緒にベンチに座った






雪は止み、ベンチに積もっていた雪を払った












「俺さ…好きな人に振られちゃったんだ…」





お兄さんは手に持った缶コーヒーを手でさすりながら言った







「でも、諦めきれなくて…




毎日のように電話してた」






お兄さんの声は今にも消えてしまいそうな声




私はじっと隣に居るお兄さんを見ていた










「っで、夜まで電話してて朝起きれなくなっちゃうんだよね…」



お兄さんは困ったような顔で笑った







それで遅刻してたんだ…



















「一回、似てる事あったんだよ…



好きな人が俺の手を温めてくれたこと




それ思い出しちゃった」









テヘッとお兄さんは笑う








そして、コーヒーをすすった









その光景が淋しく思える









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