CornPotage【短編集】
「お兄さん…」
お兄さんは私の声で振り返る
私はその顔に小さな雪玉を投げつけた
「なっなにすんだよっ!」
「私はまだ高校生だから偉そうな事は言えないけど
いつものお兄さんみたいに
突っ走れば大丈夫ですよ」
私はお兄さんの温かい優しさが好き
「だから、好きな人を貴方の優しさで包んであげてください」
そうすれば
きっと
お兄さんの思いは届くはず
お兄さんは“ありがとう”と笑った
「ねぇ、雪だるま作ろう?」
「だから、もぅそんな年じゃ…」
「いいからいいから♪」
お兄さんは立ち上がり
私の手を引っ張った
その手はさっきより温かかった
私はベンチに飲みかけのコンポタを置き
素手で雪をつかみ丸めていった
無邪気なあの頃のように…