CornPotage【短編集】
そして、文化祭の前日。
あたしはなるべく声を痛めないように
のど飴で安静にしていた。
クラスのチョコバナナ屋でリラックスしてると、
佐々木君が走って飛び込んできた。
「杉並さん!!!!」
そして、あたしを引っ張りまた走った。
「ちょっ・・・何があったの!?」
「飯山せんぱいが・・・っ!!」
飯山先輩とはバンド部のベース担当。
佐々木君は戸惑いを隠せない。
そして、連れて行かれたのは保健室だった。
「飯山先輩…大丈夫ですか??」
保健室に居たのは腕に包帯を巻く飯山先輩が
気さくに笑っていた。
「せんぱい…その腕・・・。」
ビックリして言葉が出なかった。
「あ~、焼きそば焼いてて鉄板で、
後ろから背中押されて腕やけどしちまったんだ。
軽傷ですんだけどな。」
でも・・・
でも・・・
「バンドの発表はどうなるんですか!?」
飯山先輩は薄笑いをする。
「今年は中止だなぁ。。。」
そんなぁ・・・・
≪ここまで練習してきたのがバカみたいじゃん…。≫
美咲の言葉が今わかった。。。
どうしよう。。。
≪やっぱレイナがいないほうがいいよねぇ~≫
とたんに蘇るバレー部の先輩の言葉。。。
あたしはやっぱり落ちこぼれだ。。。