CornPotage【短編集】
担任の足音が遠くなった。
狭い壁の端っこで鶴野君に抱きしめられてるって・・・
心臓がバクバク。。。
「お前、最近、荒れてねぇか?」
山本君は腕を離す。
「反抗期ってやつ?」
しゃれで言ったつもりだったんだけど、
山本君が何か考え出した。
「俺も・・・反抗期になりたいなぁ・・・。」
少し経ってから彼はそう呟く。
「はぁ?あんたは部活と言う青春があるでしょ?
アタシには何にもない。恋する気もないし。
残ってるのは勉強だけ。」
山本君はニコッと笑った。
「だから、俺も反抗期になりたい。
このままずっと型にはまっている生活なんて嫌だからね。」
山本君が何を言いたいのか分からない。
アタシより先生に気に入られてて、
部活熱心だし、アタシみたいに荒れてないし・・・。
そんな人が反抗期?
そんな羨ましい生活が嫌?
アタシは山本君を睨んだ。
優等生って何でこんなに贅沢なんだか。
まったく自分の身分をもっと弁えて発言してほしいよ。
山本君にはアタシの睨みは利かず、
逆に笑顔で返された。
「ねぇ、俺とバンド部作ろうよ!!」