CornPotage【短編集】
「どうして、みんな私の名前を知っているの?」
私がみんなに問いかけたとたん、動物たちは静まり返った。
私はいけないことを言ったみたいなので、焦った。
「思い出してください。
私たちは昔あなたの家に居た、ぬいぐるみや人形です。」
ラビンは必死で私に思い出させようとした。
でも、思い出せない。
「昔、まだあなたが幼いとき。
そう、まだオカルトに手を出していないとき。
あなたはよく私たちと遊んでくれました。
私たちは、そのときのあなたの笑顔がとても大好きでした。
もう、ずっと一緒にいたい気分でした。
しかし、何かの弾みであなたはオカルトに興味を持ってしまいました。
そして、邪魔者になってしまった私たちは捨てられて、
体はもうありませんが魂だけがここにあるのです。」
ラビンの話を聞いて私は、つばを飲んだ。
そして、眠っていた記憶が次々と蘇って来た。
そうだ、確かに私はラビンたちを捨ててしまった。
とんでもないことをしてしまった。
「ごめんなさい!
私、あなたたちにとんでもないことをしたくせに忘れちゃって・・・。」
「天華さん。顔を上げてください。もういいです。
私たちのこと思い出して下さったなら・・・・。」
私は許してくれるなんて思わなかった。
ラビンの言葉で私はほっとした。
そして、なんて優しい動物たちなんだ。
私はこの子たちの体を捨ててしまったのに一言も文句を言わず許してくる・・・・。
私は自分が悪党のように思えてきた。