CornPotage【短編集】
「あ! 狸のポンキチだ! こっちは、豚のブー助。
ポンキチはブー助にいつもいじめられていたよね。」
私は思わず笑ってしまった。
「・・・・・、そうなんスよ。でも今はオイラの方が強いっスよ。」
ポンキチは自慢そうに言った。
「天華さん、こいつ酷いですブー。
僕の話にいっつもブーイングしますブー。」
ブー助は困った顔をした。
「それは、豚だけにブーイングしているんじゃなくて、からかっているだけだよ。」
私は可笑しくてしょうがなかった。
「天華さん、僕の話も聞いてください!」
「天華さん、おままごとして遊ぼう!」
出迎えのときみたいに一気に、賑やかになった。
私は嬉しかった。
昔から友達がいないから、ここのみんなと遊んでいたけれど、
私にはこんなにもたくさんの特別な友達が居たなんて・・・・・。
私の目に涙がこぼれた。
「どうしたのですか? なぜ涙を流すのですか?」
ラビンは戸惑いを隠せなかった。
「天華さん? どうしたの?」
次第に動物たちも私が泣いていることに気づいた。
「私、どうして気づかなかったんだろう・・・・・・。
私の周りには、こんな素晴らしい友達・・・いや、家族が居たことを。
ありがとう、こんな馬鹿な私に優しくしてくれて、本当にありがとう。」
私は、ありがとう以上の言葉が言いたかったが、思いつかなかった。