CornPotage【短編集】
「やったー!!一時はどうなるかと思ったけど
天華の名演技で助かったよ。」
「そんなことないよ、陣樹が最初に誤魔化したおかげで演技ができたんだよ。
具合悪いなんて考えつかなかったもん。」
二人で二人を褒めた。
でも、いつまでものんびりしてられない。
私たちは手分けしてお守りを探した。
・・・・・が、見つからなかった。
夕方になっても見つからない。
私は、また罪悪感に襲われた。
「もう、見つからないよ。こんなに探しても、ないのだから。」
陣樹は野原に座り込んだ。
「どうしよう、あのお守りがなければ・・・。」
私は休むことなく草をかけ分けた。
「・・・どうして、そんなに必死になるの?」
「あの、お守りは・・・ウサギの人形の魂が入っているの。」
私は、恐る恐る言った。
「ウサギの人形?もしかして、紳士の格好をした?」
「うん。どうして知っているの?」
私は手を止めた。
「君は覚えているかな?
あの人形は俺があげたんだよ?」
陣樹の顔に笑顔が戻った。
「そうか、昔、私を助けてくれた時くれたっけ・・・。」