CornPotage【短編集】
「たっ助けてくれて・・・ありがとう。」
「たくっ、オレがいなかったら、大変な事になっちゃたんだぞ!」
「ごめんなさい・・・。」
「まっ、助かったんだからいいけど、そうだ!
またおまえが危ない目にあったとき助けてくれる
正義のヒーローをあげる!」
「カッコいい!ウサギさんだ。」
「こいつの名前はラビンだ!名前もカッコいいだろう。」
「うん。ありがとう。」
その時、ラビンに初めて会ったんだ。すっかり忘れていた。
「お守りが消えたのは、無くしたんじゃなくて
ラビンが天華を自立させようとしたんじゃないかな?」
そうか、だから探しても居ないんだ。
「・・・どうして?どうして、そこまで優しくするの?
ラビンは私に優しくしすぎだよ。」
私は限界だった。涙が止まらない。
「天華が優しいからだよ。」
陣樹がそっと私に言った。
「違う、私は優しくなんかない。
私はラビンたちの体を捨てちゃったんだもん。悪党だもん。」
「天華は、そうやって自分を責めて、
ラビンたちのために、いくらでも泣いてあげる。
俺に<思いやりは人を代える>という言葉を教えてくれたじゃない。」
そうだった。
私はラシドの世界で知らない内に何回も泣いたのだった。
動物たちのために・・・。