鳥籠
「なぁ山上、あの時どうして学校で柴田といたんだ?」

突然嫌な話題を持ちかけてきた男に、彼女を目を細くしながら眉間に皺を寄せながら冷たく小さな声で呟いた。

「あいつが呼んだ」

そしてまた素っ気ない態度をとる。

むしろ怒ったような態度でもあった彼女に、少々男は困りながらもまた再び同じ質問を彼女へ問いかけた。

「なら何で行った。危険だとは思わなかったのか?」

彼女はまた眉間に皺を寄せ、先ほどのような声のトーンで言い放った。

「関係ないじゃない」

「俺にはある」

問答無用と表情をしている男を見て、彼女は呆れて深く溜息をつく。

「あたし、もうあの人知らない」

そう一言だけ彼女は男に向かって強く言った。

でも男は諦めずに彼女にまた同じ質問を問いかける。

「頼む、言ってくれ」

「嫌なものは嫌なのよ!!」

病室に、彼女の声が響いた。

2人の風陰気が少し気まづくなる。

ベットの側にある目覚まし時計が1秒1秒と、針が進むにすれ音が2人にはとても響いていた。

時間が経つにすれ、気まづくなる2人。

その沈黙の間、2人は去年の今日の事を思い出していた。

いや今日と言っても、前日などの事を含めて。

そう、地獄のあの時を――――
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