アイツに勝ちたい!!課題作品4
終章『ゴールの先には…』
パーン!!
その音にはっと我にかえる。
(出遅れた!?)
他の選手は走り出している…もちろん"アイツ"も…
"アイツ"の背中から『何やってんだ?』という嘲りが感じられる。
(負けるか!今日で決着をつけるんだ!)
500mのトラックを十周する単純な競技。
僕はそこに、全ての想いを込めた。
一周…二周…
"アイツ"の背中はまだ遠い…
(くそっ!まだまだ…)
三周…四周…五周…
"アイツ"との距離はかなりある。
(いや、少し近づいてる!)
"アイツ"に絶対に勝つんだ…いつしか周りの景色は薄れ、僕と"アイツ"二人だけが走る世界になっていた…
六周…七周……
肺が悲鳴をあげ、身体中が燃える様に熱い…
プレッシャーに心が潰されそうになる…
徐々に意識が途切れがちになる僕を"アイツ"は笑った
(負けたく…ない…僕自身に…)
八周……
その時だった
『建ちゃ~ん!』
遠くから声が聞こえた。
『私も一緒にいるから!!大丈夫だから!"アイツ"に負けないで!』
その瞬間僕の周りに景色が戻ってくる…
彩の言葉で、プレッシャーから解放された。
(僕は一人じゃない、いつだって彩が支えてくれたんだ。僕は…負けない!)
九周…そして十周目
ゴールまで残り200m…
いつしか僕は"アイツ"の真後ろにたどり着いていた。
残り100m
横一線に並ぶ
50m
僕が少しリードするが…振り返る余裕はない。
40…20…
陽射しがジリジリと皮膚に染み込んでくる。見上げればどこまでも続く青い空…隣には彩がいた。
「勝ったよ…」
『うん、私にも見えたよ…』
ふと背後に気配を感じ振り返る…"アイツ"がいた。
『もう、俺は必要ないんだな』
「うん…でも君がいたから僕は強くなれた」
そんな言葉が出る。
すると彼は照れたような笑みを浮かべ、青い空へ吸い込まれるように消えた…
「原角…幻覚」
自然とそう理解してしまう。
翌年、僕と彩は巣立ちの日を迎えた。
いつも支えてくれた彩…
その日僕は…二回目の勇気をだした。
「ねぇ彩、話しがあるんだ…僕と…」
その音にはっと我にかえる。
(出遅れた!?)
他の選手は走り出している…もちろん"アイツ"も…
"アイツ"の背中から『何やってんだ?』という嘲りが感じられる。
(負けるか!今日で決着をつけるんだ!)
500mのトラックを十周する単純な競技。
僕はそこに、全ての想いを込めた。
一周…二周…
"アイツ"の背中はまだ遠い…
(くそっ!まだまだ…)
三周…四周…五周…
"アイツ"との距離はかなりある。
(いや、少し近づいてる!)
"アイツ"に絶対に勝つんだ…いつしか周りの景色は薄れ、僕と"アイツ"二人だけが走る世界になっていた…
六周…七周……
肺が悲鳴をあげ、身体中が燃える様に熱い…
プレッシャーに心が潰されそうになる…
徐々に意識が途切れがちになる僕を"アイツ"は笑った
(負けたく…ない…僕自身に…)
八周……
その時だった
『建ちゃ~ん!』
遠くから声が聞こえた。
『私も一緒にいるから!!大丈夫だから!"アイツ"に負けないで!』
その瞬間僕の周りに景色が戻ってくる…
彩の言葉で、プレッシャーから解放された。
(僕は一人じゃない、いつだって彩が支えてくれたんだ。僕は…負けない!)
九周…そして十周目
ゴールまで残り200m…
いつしか僕は"アイツ"の真後ろにたどり着いていた。
残り100m
横一線に並ぶ
50m
僕が少しリードするが…振り返る余裕はない。
40…20…
陽射しがジリジリと皮膚に染み込んでくる。見上げればどこまでも続く青い空…隣には彩がいた。
「勝ったよ…」
『うん、私にも見えたよ…』
ふと背後に気配を感じ振り返る…"アイツ"がいた。
『もう、俺は必要ないんだな』
「うん…でも君がいたから僕は強くなれた」
そんな言葉が出る。
すると彼は照れたような笑みを浮かべ、青い空へ吸い込まれるように消えた…
「原角…幻覚」
自然とそう理解してしまう。
翌年、僕と彩は巣立ちの日を迎えた。
いつも支えてくれた彩…
その日僕は…二回目の勇気をだした。
「ねぇ彩、話しがあるんだ…僕と…」