あおぞら
あたしの視線の先には…
ちっちゃくて、真っ黒で、狐みたいな細い目をしてバットを握る、1人の球児。
和樹だ…。
気づいて欲しくて、じっと背中を見つめていた。
50メートルを6秒で走る足の速い和樹は、2番バッター。
1打席目。
振るもヒットにならずアウト。
2打席目。
なぜか和樹の打席だけ力が入る。
がんばれっ…
がんばれっ!!
大きく振りかぶり、ピッチャーが投げる。
和樹のバットが白球を叩いた。
キィ―――…ン