彼女の事情
「っ…なぉ」
「!!、先輩ついて来て。」
奈緒に引っ張られ後を着いて行く。
「…」
やって来たのは保険室で、昼休みだから誰もいなくて静かだった。
――――ガラガラガラ
「はい。そこ先輩座って。」
「?」
「いいから座れよ。」
睨まれた…
「…はい」
ん、と手を出す奈緒。
「え?」
「『え?』じゃないでしょ。早く手ぇ出して。」
手??
言われて手を見ると、さっき殴った手から血が出てる。
「…あ…」
「何?先輩気付いてなかったの?」
こくん、と頷く。
はぁ~と溜め息をつく奈緒。
奈緒はテキパキと消毒して包帯を巻いてて、奈緒に触れてるとこが発熱する。