彼女の事情

それが出来そうにも無いから。
俺の不安は消えない。





顔を見せて。
声を聞かせて。
俺だけに笑って。





「俺すっげぇかっこ悪い。」

奈緒の肩に顔を埋める。

「…今更?」


……。


「奈緒」

「なーにー?」

「ぉ……き…ぃ…た?」

「聞こえない。」


声が震える。
強く抱きしめれば大丈夫?














「俺のこと嫌いになった?」





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