彼女の事情

「~~泣くなよ!」

「っぅぅ~~~~~」

「奈緒、ちゃんと俺の顔見て。」

「~~…?」





もう逃がさない。





驚く奈緒の目。

足りない酸素。


「~~っはぁ」

「あ、泣き止んだ。」

「―っ!」

「まだ足んないんだけど?」

「んなの知らない!!」


真っ赤な顔
うるんだ目


「――奈緒」

「っっ!んー」





―ちゅっ

「もう知らないから。奈緒の負けね。」


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