彼女の事情
「見た目ギャルっぽいし、こんな性格してますけど、あたしこういうのは慎重なんで。」
「…」
「もしも…ほんとにもしも、先輩がそういうの目的であたしと一緒に居るんなら、残念ながらあたしはそういう女じゃないんで。」
先輩を好きになってから一番気になっていたこと。
先輩がモテる男だから、もしかしたらっていうのがいつもあった。
先輩はいつも一緒にいるときは全然そんなこと無くて、あたしには良すぎる人で、だからあたしと居る理由がそっち目的なんじゃないかって、ずっと不安で…
ふわっ
包み込まれる温かさ。
「知ってる。奈緒はそういう女じゃ無い事ぐらい。俺が奈緒と付き合ってんのは、俺が奈緒にベタ惚れな訳で、奈緒がやならそれで良い。…ごめんな。なんか焦ってた。」
ぎゅっ
先輩が強く抱き付く。
「……ごめんなさい。」
「…んな、謝んなよ。ただあんま長くは待てない気がする…」
「…??」
それって別れるってこと…?
「心配すんな。ただ抑え効かなくなったら容赦なく蹴れよ?」
―ぼっ
顔から火がでる!!
何いってんだこの人は!?