線香花火【短編】
「……分かったよ。明日、彼にこの腕を見せて話してみる」

純は頷くと、又私の頭を撫でた。

「ごめんね。迷惑ばっかりかけて……」

「気にするなよ!幼なじみなんだからさ」

そう、純と私は15年来の幼なじみ。
幼稚園の時からずっと一緒に遊んでいた。

私にとってお兄ちゃんの様な存在。

純は頭が良い。
純が東京の大学に推薦で決まり、私は焦って東京の大学を受験した。

純は私にとって居なきゃならない空気の様な存在の人だから。

そして、私はかろうじて合格。
お家も純の家の近くに決めたんだ。

東京にきて右も左も分からない時に、スカウトされてついて行った場所がキャバクラ。

始めはびっくりしたよ。
もちろん、そんな場所に行った事なんて無かったからね。

さすが東京だなぁってね。

でも暇だったし純が遊んでくれなかったから、二つ返事でバイトする事にしたの。

< 11 / 58 >

この作品をシェア

pagetop