線香花火【短編】
次の日、私は彼が家に来た時に昨日の事を話した。

と言うか、彼が私の手の包帯に気づいてくれたんだよね。

どうしたのか問いただされ、私は今までの事を包み隠さずに話したの。


もう、終わり。


そう思ったんだけど、彼は少し考えてから思いがけない事を言った。


「…美弥、俺が守るから。ごめんな」


「えっ…?!」


私は絶句してしまった。

彼から出る意外な言葉。


こんな私でも良いんだね。


しっかりと抱きしめる彼。

彼の匂い。

又、温もりを感じて居られるんだね。


広い胸

力強い腕

首に有るほくろ

笑うとできるシワ


全部感じてられるんだね……


彼が帰っても、その日は荒れなかった。
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