線香花火【短編】
彼が帰ってから、すぐに純に電話したの。
私は嬉しくて、さっきの話を全て話した。

「……そっか」

意外にも、寂しいそうな声で話す純。

喜んでくれないの?

「どうしたの?純」

少し間があった後、いつもの元気そうな声で話し始める純。

「良かったじゃん!!」

私はすっかり舞い上がってしまっていた。


今思うと、純は分かってたんだね。


「ところで純、彼女は?」

「ああ、別れたよ」

最近の純は、付き合い始めてもすぐに別れちゃうんだよね。

今回だってそう。
たった1ヶ月で別れちゃってんの。

「はやっ!!なんでなんで?」

「べつに」

なんだか、今日の純はそっけないや。
私達は微妙に気まずくなり電話を切った。

純とこんな感じになるのってあんまりないのにな。

私はベッドに入り布団に包まれると、久々に安心したからかまどろんでいく。

今日はぐっすり寝れそうだよ。

私は電気を消して、しばらく考え事をしているうちに眠りについてしまっていた。

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