線香花火【短編】
数日間、私の心は安定していた。

でも、根本が変わっていない限り私の発作は治まらない。

寂しさ・不安・苦しさは、形を変えて私に忍び寄ってくる。

しばらくすると、以前と同じ様に荒れていった。

家具なんかは傷だらけになって、私の体もまた傷だらけになっていた。

その度に純を呼んだ。
純は何も聞かずにそばにいてくれていた。

彼には包み隠さずに話すようになった。
その度に「ごめんな」と言ってくれる彼。

私はそれで充分だった。

でも、彼はだんだんと家に来なくなっていった。

私が重くなってきたのだろうか?

電話しても繋がらなくなっていき、毎日のメールも返って来なくなってきた。


言わなきゃ良かった。


私は何度も話した事を後悔し、そして荒れる。

すごい悪循環なのは自分でも分かっているんだけど、止められないんだもん。

好きな気持ちってコントロールできないって事を知った。


苦しい。


食事なんて喉を通らなくなり、どんどん痩せていく私。


でも、信じていた。


きっと、仕事が忙しいからだって。


きっと、何か用事が有るからだって。


信じていた……


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