線香花火【短編】
私は、久しぶりにバイト先に顔を出してみる事にした。

みんな、誰だか分からないって顔をしていた。

一瞬空気が止まった後、仲の良かったバイト仲間の早百合ちゃんが口を開いた。


「……美弥ちゃん?!どうしたの?」

「早百合ちゃん、久しぶり。店長も」

「痩せちゃったんじゃない?」

店長は、心配そうに私の体を眺めていた。

「うん…ちょっと病気だったの。でも、もう復活したから早くバイトに復帰します」

「美弥ちゃん、無理しないでね」

激やせして心配してくれるみんなに、私は涙が出そうになった。

店長は私に売ってるケーキを数個箱に入れて、お土産に持たせてくれた。

「ありがとうございます」

そう笑顔で言うと、お店を後にした。

< 21 / 58 >

この作品をシェア

pagetop