線香花火【短編】

私は頭を掻き毟った。

もともと栄養不足で脆くなっていた髪の毛は、いとも簡単に抜け落ちていく。

髪の毛はストレスのせいだろう。
所々、円形になって抜け落ちている。

自慢だった綺麗な黒髪は、今は地面を覆うただのゴミとなっていた。


―――ブブブブブ

バイブにしていた携帯が、さっきからなっている。


きっと純からの着信。


帰って来たんだね、純。

私1人で頑張れたよ!!


誉めて欲しいな。


頭…いつもみたいに、撫でて欲しい。


でも、純にこんな姿見せられないよ。


純に依存しないって決めたんだもん……


又、迷惑かけちゃうからね。



1人で頑張るからね。

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