線香花火【短編】

何度も何度も着信が有る。


―――早く充電が切れたら良いのに。


そう思った時、チャイムが鳴った。



まさか……





来ちゃダメ!!!!





嫌われちゃう。


私の心とは裏腹に、無情にもドアが開く音が聞こえた。

「美弥居るか?」

足音はどんどんと近づいて来る。



動けない……



「美弥?帰ったよ」


廊下のドアが開く。
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