線香花火【短編】

純は私を抱きしめたまま、私の頭を撫でた。

所々がなくなってしまってる髪は、私の心を現してるようにぽっかりと穴を開けてる。

たまに手が止まったかと思うと純は強く抱きしめた。

「痩せたな…美弥」

「ダイエットしなきゃだから、ちょうど良かったよ」

私は頑張って笑顔で答える。


不意に手を取る純。
私の手を見つめたまま、純は又涙を流した。

吐きダコと掻き毟ったせいで、手の甲には細かい傷が無数に有り、栄養が足りてないのかしわしわでおばあちゃんみたいな手になっていた。


純の涙が私の手に落ちる。


「……みや…」


温かい……


そこから、何だか人間に戻っていく様な気がするよ。


私の為に泣いてくれる人間が居る。



それって、幸せだよね。


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