線香花火【短編】

私は一気に話しきった。


もう、良いんだ。


失う物は何も無いね。


純は話を聞き終わると優しく言った。


「美弥、一緒に治そう。」


私の瞳から、温かい雫が流れ落ちる。


もうガラス玉じゃない……


もう人形じゃない……


溢れてくる雫はとても温かかった。


それは線香花火のように小さくてすごくもろいでも、一筋の小さな希望の光だった。

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