線香花火【短編】
その夜、私はお昼に買ってきた花火をしようと、おばちゃんを誘った。

『花火なんて何年ぶりさね』

そう言って、子供の様にはしゃぐおばちゃんと私。

本当に楽しかった。

私も花火をぐるぐる回して、見て見て!!って…

本当に、子供に戻ったみたいだった。

大きい花火を一通りやり尽して、私達は縁側に座る。

「あ~~楽しかった。おばちゃん最高!」

「おばちゃんも楽しかったさ。美弥ちゃん最高よ!!」

私達は顔を見合わせて笑った。

私は、花火の入った袋を持ち上げてみた。


ん?あれっ??


「あっ!!線香花火してないよ」

袋の端っこに隠れていた線香花火。
急いで取り出して線香花火を数える。

「全部で7本か。3本づつだね」

「最後の1本はどうするの?」

私は少し考えて、

「2人でやろう!!」

そう叫んだ。

おばちゃんは笑って、

「そうしよう、そうしよう」

と言ってくれた。


「おばちゃん、知ってる?線香花火が落ちないで最後まで燃え尽きたら、願い事が叶うんだよ」

「そうなの?じゃあ、おばちゃんと美弥ちゃんで競争だね」


私達は、線香花火を一本取り出して同時に火をつけた。


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