線香花火【短編】
幸い傷は大して深くないから、出血もひどくない。
私はとりあえずの応急処置をしてから、部屋を片付けた。
虚しい時間。
又、泣けてくるよ。
部屋が片付きひと段落してから、改めて傷を見てみた。
「いたっ!!」
深く無くても傷は傷。
自分の身体ながら、生々しくて気持ち悪い。
私は消毒してから包帯で巻いてみた。
無かった事にするかの様に。
襲ってくる虚無感。
今日の発作はひどかったな……
私は携帯電話を手に取ると、近くに住んでいる幼なじみに電話をかけた。