線香花火【短編】
「迎えに行くよ。何時に着くの?」

「大丈夫だよ、ちゃんと帰れるから」

「ちげーよ!俺が迎えに行きたいの」


ドキドキする。

普通の会話なのに……

こんな会話いつも、小さい頃からしてたはずなのに。

純の声に、かなりドキドキしていた。

私、彼の事本当に忘れられてるんだ。
そう実感した瞬間だった。

「わかったよ。4時には東京駅に着くから」

「4時ね、わかった。絶対行くからな、待ってるから!!」

「待っててよ!!」

純がポツリと話し始める。

「……俺さ…美弥の事……」


その瞬間、


―――ブツッ


いきなり電話が切れた。

うわぁ、充電切れだし。


なんてタイミング。


まぁ、良かったのかな?!

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