線香花火【短編】
私はずっとドキドキしたまま、どんな顔して会えば良いのか考えてた。

どうしょう、ドラマみたいにロマンチックな再会になっちゃったりして…

なんてね~~って、1人で顔を赤くさせバシバシ前の席を叩く。
多分、ニヤニヤしていたかもしれない。


完璧に怪しい……


そりゃゴン太も鳴くわね……


そんな事をしてるうちに、新幹線は東京駅に到着した。


えぇぇぇ~~~早いよ!!!


とりあえず、私はホームに降り立つ。

久々の東京は、人が多くてみんな急いでいた。
一分一秒を争いながら歩いている、そんな感じ。

自分がここに住んでいた事が信じられないよ。

一度大きく深呼吸してから、私は周りを見渡した。


純…居ないな。


携帯電話も充電ないし。


やっぱり、来るの辞めちゃったのかな?


私は、少しガッカリしながら歩き出した。

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