線香花火【短編】
「……美弥?!大丈夫か?」

「純…」

純は優しく私を抱きしめた。

安心するね。

純の鼓動が私の胸に響く。

昔から、純は私がピンチの時にはすぐに助けに来てくれた。


人の温もり。


私が、今一番欲しかった物なんだ。

純は落ちついてきた私から離れて、台所に行き紅茶を作ってくれた。

純は、私の事をなんでも分かるんだね。

食器棚を見た純は少し固まってた。
明かりをつけて、周りの傷ついた壁を見てる。


バレちゃった……


やかんが沸いた合図を鳴らす。
純は2人分の紅茶を作り、私に持ってきてくれた。

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