水曜日、曇り。
第一章 独り
あたしが引っ越しに伴って転校したのは、小学6年生の終わり。
わざわざ、卒業を間近に控えた不可解な時期に引っ越した理由は「兄が犬を飼ったから」。
それまでアパート暮らしだったあたし達は、庭の広い田舎の一軒家に移った。
縁もゆかりもない土地。
それが、この後のあたしを大きく変える遠因になったと思う。
そこはとても閉鎖的な土地で、よそ者のあたし達一家は良くも悪くも目立った。
そこに、あたしの目立ちたがり屋な性格が手伝って、初めこそ「都会から来た転校生」だともてはやされたが、じきに「なんかムカつく」と同性のクラスメイト達に言われるようになった。
なんだ、それ。
もともとプライドの高いあたしは、あまり気にもせずに過ごしていた。
初めはそれでも、なんとかやれてた。
それでも、なんとか笑うことが出来ていた。
春に中学に入るまでは。
わざわざ、卒業を間近に控えた不可解な時期に引っ越した理由は「兄が犬を飼ったから」。
それまでアパート暮らしだったあたし達は、庭の広い田舎の一軒家に移った。
縁もゆかりもない土地。
それが、この後のあたしを大きく変える遠因になったと思う。
そこはとても閉鎖的な土地で、よそ者のあたし達一家は良くも悪くも目立った。
そこに、あたしの目立ちたがり屋な性格が手伝って、初めこそ「都会から来た転校生」だともてはやされたが、じきに「なんかムカつく」と同性のクラスメイト達に言われるようになった。
なんだ、それ。
もともとプライドの高いあたしは、あまり気にもせずに過ごしていた。
初めはそれでも、なんとかやれてた。
それでも、なんとか笑うことが出来ていた。
春に中学に入るまでは。