【企】Anniversary
Anniversary
あれから…。


毎年欠かさず、正月になると年賀状が届く。


それは、楓からだった。


25歳になった今でも、毎年くるこの、一枚の紙に温かい物が湧いてくるんだ。


密かに、机の中には今まで貰った楓だけの、年賀状が綺麗に、ファイリングしてある。


来年になればちょうど、干支をひと回りする。


【今年も良い年になるように】

【健康には気をつけて下さい】

手書きの文字、一つ一つが俺を勇気づけていたんだ。


それは、楓と俺の秘密のやり取り。


住所も名前も変わらない。


…俺の気持ちも…まだ、変わらないんだ!


そろそろ、会いに行っても構わないか?


「…楓…?」


楓に会いたいんだ。


今さらだけど、俺も…変わらない気持ち伝えていいかな?
不安はつきないけど。
構わないんだ。


今年の年賀状を見て思う。


【私の心は今でも、あなたのものです。。】



楓の笑顔をもう一度みたい。

『ありがとう!』

言いたいんだ。

どうか、待っていてほしい。



end
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