恋愛〜先輩×後輩〜【完】
家に帰っても、おかえりなさいと言ってくれる人はいない。
だって私は…
親元にいないから。
理由があって、私は親とは一緒に住めない。
お父さんもお母さんも離婚したあとに新しい家族ができて。
私が高校に通うのを機に、実家を出たいと言ったら、親は嬉しそうにしていた。
生活費や家賃は親が毎月銀行に入れてくれているし、不自由はなかった。
1人になって、考えることは1つだけ。
さっきの先輩の言葉。
私は本当に、美咲先輩に惚れてしまっているんだ…。
さっきの言葉を思い出すと切なくなる。
もしかしたら、私は邪魔なんじゃないかとさえ…思ってしまう。
何だかんだ優しくしてくれた。
それでも…私は何も知らない。
美咲先輩の連絡先すら、知らないのだ。