恋愛〜先輩×後輩〜【完】
「すいません。」
私は、先輩の言葉を聞かずに、電話を切った。
別れようと言ったのは自分なのに全然すっきりなんかしなかった。
私は卑怯者だ…。
でも、先輩は、こんな私でも見放さなかったんだ。
ピンポーン♪
「リコちゃん、開けて?ちゃんと話がしたいんだよ。」
しばらく私は動けなかった。
この扉を開けてしまったら、私の決意が揺らいでしまいそうだから。
「開けてよ…」
そんな、弱々しい先輩の声に、私は…
「どうぞ」
「良かった。」
開けてしまった。
「別れたいだなんて…言うなよ。もう、嫌いになった?」
「いえ…」
「周りに何か言われたからって別れるの…おかしいよ。俺は、リコちゃんが好きだから、別れたくない。」
先輩の真っすぐな言葉と瞳に、私は何も言えなくなる。