恋愛〜先輩×後輩〜【完】
「美咲先輩っ!!一緒にどっか行きませんかぁ?」
猫なで声で言ったのは、サヤカ。
「ごめん。俺は人数合わせだし、もう疲れたからさ」
「えー、いいじゃないですかぁ??ちょっとくらい。」
「いや、ごめん。
連れて帰るなら、その子がいいかな。」
そう言って、私を指差す美咲先輩。
「えっ、じゃあサヤカちゃん、俺と一緒にどっか行こうよ!
ちゃんと楽しませるから。」
「ん〜。まっ、いいか!」
次々に、挨拶もなく、当たり前のように散らばっていく。
「ねぇ、どっか行こうよ」
あの頃の先輩と、変わっていないはずなのに…
目だけが笑っていなくて。
ちょっとだけ、怖かった。
「え…」
「いいじゃん。」
「でも…」
先輩と出かけたい。
久しぶりに。