サクラ路


【がっ!?】



すさまじい音の発端は・・・・


李恵が、元カレの腹を蹴ったのであった。



「あんた、顔だけがイイ所だから。顔は避けといた。・・・・さ、この一発で終わりだね。」




李恵は、いまだヒザをついて苦しがる元カレに、背を曲げて目線をあわせた。




「バイバイ。・・・・・・ありがと。」



【・・・へ?】






李恵はそう言うと、屋上へと足を進めた。








元カレと別れてなかったら、多分、悠の事、好きになってなかった。


元カレからの別れの電話が無かったら、私は、悠と、あんな運命的な出会いはできなかった。


だから・・・・





悔しいけど、ありがと。


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