愛しい君よ〜俺達の恋〜
「…蓮、これうまいよ〜」



箸が止まっている俺に海は無神経にほうばりながら言った。






いつもそうだ。






海は俺の気持ちを知っているのだろうか−?





「あぁ…明日の事考えてぼーっとしてたよ…」




「明日は明日じゃん?」




これ、食っていい?
海が目で合図しながら、つい今勧めてきたローストビーフをまた口に運んだ。






憎めない…。




けど、海の行動の全てが俺の先をいつも行くようで。





黙ってついていくしか、ないような錯覚で生きてきた。





「ってか、もう食べてるだろ?」





そんな俺たちを見て目を緩く細める母さん。






こうして、今の俺を見せていればいい。



万事うまくいく。



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