愛しい君よ〜俺達の恋〜
「ねぇねぇ、蓮の弟さんってさ、双子でしょ?何してるの?」



亜子が上目遣いで聞いてきた。



「何って…仕事?」


「うん」



亜子もそうだが、
今まで関わった人には海のことを話したことがなかった。



幸い、
「顔が似てない双子」
であるが為に誰にも知られていない。




地元の同級生達は知っているが、不思議なもんで有名人が近すぎるとそんなに騒がない。




「ミュージシャン海」のオマケみたいな扱いは嫌だ。






俺は俺なんだ。







「アイツは…音楽やってるよ…」



「音楽?」



何それって顔で覗き込んでくる亜子。




「あぁ、気楽なもんだよ…」



「ふーん…蓮の親も医者だもんね。スネカジリってやつ?」


「さぁな…どーでもいいだろ」



さっさと切り上げたいが為に適当に流した。





「気楽なもんよね〜」



亜子も亜子で然程感心なさそうに流した。



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