年上の貴女




それだけなのに、その子の顔が頭から離れない。


そのことを笑われる覚悟で、翔に言った。


そしたら、予想外で真剣に話を聞いた。


「翔だったら、笑うと思った」


「確かに潤以外の人だったら、笑うな」


俺よりもくせ毛のある、明るい髪を払った。


「しかし、お前初恋だろ?頑張れよ」


にやにやしてくる。


そう―


初恋もまだなのだ。


「え。待てよ」


< 7 / 35 >

この作品をシェア

pagetop