囁くように キミは





“友達”

そんなもの要らないと、必要ないと思ってた。
利用し、利用され‥ただそれだけの関係だと。


でも何故か美香の笑った顔見てたら、友達も悪くないかなって思えたんだ。





「今日、転校生が来るらしいよ?」

「転校生?」

「うん。男の子だって」

「へぇー」



この時期に転校生なんて、どーせ期待ハズレの地味男くんに決まってる。

楽しそうに話す美香には悪いけど、まったく興味がない。

でも、ま。
どんな顔だか拝ませて貰っておくよ、一応ね。一応。



「あーもうチャイム鳴る。じゃね、楓」

「ん、じゃね」



時計を見て不満げに手を振る美香に軽く手を振り返す。


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