【中編】ベストフレンド

逸る気持ちを押さえドアの備えつけられた、洒落た装飾のノッカーを叩く。

ドアを開けたのは俺より少し年上の、見覚えのある男性だった。

「こんばんは。梶 拓巳です。
ご連絡頂きありがとうございました」

「いらっしゃいませ。遠い所をようこそ。
このペンションのオーナーの山崎一臣(やまざきかずおみ)です。お待ちしていましたよ」

オーナーはそう言って俺を招き入れると、広い吹き抜けのあるコミュニケーションルームと名付けられたリビングのような部屋へ通してくれた。

この部屋は良く覚えている。

以前泊まった時と室内の洒落た雰囲気はまったく変わっていなかった。

落ち着きがあり自分の場所を見つけたような気分にさせられる、心地良い空間がそこにあった。


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