【中編】ベストフレンド
二人とも現在恋人はナシ。
陽歌は余り多くを語ろうとしないけれど、想いを寄せている人がいる。
だけど、それは決して叶わない恋だと言っても良いだろう。
彼女は、毎夜夢に現れる男性に恋をしているのだから…。
だけど私も叶わない恋をしているのだから、人の事は言えない。
忘れることも諦めることもできず足掻いている所なんて、私達はソックリだと思う。
だから親友でいるのかもしれないと、ちょっとだけ複雑な心境で思ったりもする。
決して叶わないと分かっていても、どうしても忘れられない。
決して恋愛対象としては見られないと知っていても、それでも傍にいたい。
それがたとえ、親友という形であっても…。