【中編】ベストフレンド
『親友』が『女』に変わるのを俺はずっと恐れていた。
『親友』であれば永遠であるものも『男と女』になると脆くも崩れ去るからだ。
どちらかが恋愛感情を持ってしまったら友情は成り立たない。
だから亜里沙を特別に女として意識しないようにしていた。
俺は自分の我が侭で亜里沙をずっと親友にしておきたかったんだ。
亜里沙を手放したくなかったから…
ずっと、変わらず傍にいて欲しかったから…
『親友』でなくなることが怖かった。
でも亜里沙を抱いて解った。
『親友』では決して手に入らないものがそこにあると。