【中編】ベストフレンド

『親友』が『女』に変わるのを俺はずっと恐れていた。

『親友』であれば永遠であるものも『男と女』になると脆くも崩れ去るからだ。

どちらかが恋愛感情を持ってしまったら友情は成り立たない。

だから亜里沙を特別に女として意識しないようにしていた。

俺は自分の我が侭で亜里沙をずっと親友にしておきたかったんだ。


亜里沙を手放したくなかったから…

ずっと、変わらず傍にいて欲しかったから…

『親友』でなくなることが怖かった。

でも亜里沙を抱いて解った。

『親友』では決して手に入らないものがそこにあると。



< 66 / 148 >

この作品をシェア

pagetop